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私と一緒にドライブへ行こうよ。

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3000文字チャレンジ、今回のお題は「趣味」。

えーーーーーっと、私の趣味は「音楽を聞きながらドライブをすること」です。

 

てん…てん…てん…ちーん。

これでは話が広がりもしない。

 

という事で、これから私とドライブの疑似体験をしませんか?ちょっと懐かしい音楽を聞きながら、私の住むまちと思い出をご紹介いたします。

なんとなくですが、男性とデート的な妄想シチュエーションで展開していこうと思っています。…はい、ただの願望です。

ドライブという趣味がいかに楽しいのかが、少しでも伝われば幸いに思います。

 

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空気の冴えわたる快晴の朝。ここは山口県下関市のある駅に近い、国道沿いのコンビニエンスストア。今日は私が運転でのドライブデート。コンビニの駐車場で待ち合わせをする。あなたがやって来た。

「おはよう、とりあえず何か買ってから行こっか。」と私が言い、店内へ入る。今日はメインの運転を担うし、朝早くてあまり食欲はないし。店内ドリップのホットコーヒーと柑橘系のガムを買うことにした。あなたは同じくコーヒーと、サンドイッチを。

 

早速車に乗り込み、エンジンをかける。軽自動車ならではの、軽めの始動音。シートベルトをカチャッとする時に、助手席のあなたと目が合って少し照れる。照れ隠しにカーオーディオをいじる。今日の最初のBGMは綿密に考え抜いて決めていたんだ。

そう。B'zのちょっと懐かしいベストアルバム「Treasure」。1曲目はノリの良い「BLOWIN'」イントロだけであなたは気付く。「おっ、いいねぇ~。懐かしい!」の声に心の中でガッツポーズをする。曲のノリと合わせて滑らかに発車する。直線メインの国道2号線。上々のスタートを切った。軽く会話を交わしながら安全運転で進んでいく。前方注意がメインの私だけど、たまにはちらっと助手席のあなたを見る。BGM効果はテキメンだ。小刻みにリズムを取ってノリノリのあなたを見てこっちまで心躍ってしまう。

道はさらに進んでいく。国道2号線に桜並木が広がる。今は5月。薄白い、淡いソメイヨシノの花は無く、力強い新緑の緑が広がる。花見の季節も好きだけど、この一面緑の季節もたまらなくいとおしく感じる。BGMが3曲目の「TIME」にさしかかる頃、大きな緩やかなカーブを超え、海が見え始める。少し開けている窓から、軽やかな潮風の香りが流れ込んでくる。

「ここ、昔小さな遊園地だったよね、覚えてる?」

「懐かしいね。冬のスケート場に毎年来てたよ。」

「えっ?じゃあ、どこかで会ってたのかも知れないね。」

同世代ならではの、懐かしい地元の思い出話に花が咲く。おりしも「TIME」の歌詞と重なって、お互いの心にはどんな懐かしい風景が浮かんだのだろうか。

”どうすれば 時が戻る 今どこで 何をしている”

短めの沈黙の中でふと思い浮かんだのは、この曲が流行っていた頃に好きだった恋人。当時の全力で好きだった。でも、時が戻って欲しい?と自問自答してみる。多分、答えはNOだ。色んな事があったけれど、今は今の自分が全力で好きだと思えるようになってきた。物思いにふけりながらも、道は進んでいく。

ここからはひたすらに青い世界が広がっていく。関門海峡の海の青さと、突き抜けるような空の青さと。関門海峡の景色は大昔から大好きだ。高校の部活で走り込みをしていた時、休憩地点は関門海峡に面するとある海岸だった。その海岸に座っていたら、その雄大さに吸い込まれていくような気がして、自分の悩みなんてちっぽけに思えたのだ。何時間でも時を忘れて行き交う波を見ていられるほど、自分にとっての心安らぐ原風景だったのだ。

さらに国道を進み、九州へ行くための重要な拠点、関門橋が見え始める頃。ある曲のイントロでふたりのテンションが一気に上がる。そう、B'zの神曲「Preasure'98~人生の快楽~」今から21年前の名曲。ふたりそれぞれの21年前には、一体何が映っているのだろうか。21年前の私…すなわち18歳の私は、この歌詞の深さのどれ程を理解していたつもりだったのだろうか。就職すること・結婚すること・親になること・離婚すること…。当時のB'zの年齢に近づき全てを体感した今頃、この曲の深さを再認識してしまった。

”YES 自分は間違っていない この先の浮き沈みも 歌えば楽し”

なんて胸張って言えたらいいのにな…。でも、くだらなかったあの頃に戻りたいけど戻りたくない、それだけは胸を張って言えると思う。

そこで買っていたホットコーヒーをひとくち口に含み、ため息をつく。もう既に熱さはない。その時「はい。」という声とともに、小綺麗にちぎられた一口大のサンドイッチが目の前に飛び込んでくる。軽く甘めの展開に少し戸惑いながらもにやけながら口を開く。恋心を淡く含んだ心と、タマゴサンドのマヨネーズの酸味にキュッとなる。女心をくすぐる天才のあなたはフフッと笑っている。…その笑顔にいつもやられてしまうんだ。淡い恋心とは真逆の「Real Thing Shakes」のソリッドの聞いたBMGが胸に突き刺さる。

あなたに夢中になっている間に、海の見える風景は通り過ぎ、市街地のビル群に差し掛かろうとしていた。小刻みに信号に捕まる。加速できない道路。オートマ車の左手は手持ちぶさただ。何の気なく左手をひじ掛けに放り出す。すかさず温かく大きな手が私の手を包み込む。

「!!!???」

 言葉にならない。鼓動が一気に早くなり、顔から湯気が出そうになる。私の手を包み込んだまま、大きな手は私の指を絡めてくる。ドキドキし過ぎてあなたの顔なんて見ることも出来ない。左腕はひじ掛けに張り付けられたかのように、微動だに出来なくなってしまった。指を絡めたまま、あなたは言う。

「これから、どこ行こうか…?」

「ぇぇぇ…。どうしよう…。決められないよぉ…。」しどろもどろで答える。当たり前だ、何も考えられない。あなたは意地悪そうにまたフフッと笑って言う。

「じゃあ、海が見たいな。関門海峡じゃなくて、今度は山陰の海。」

完敗だ。すべてがあなたのペースになってしまっている。そして、山陰の美しい海が見えるあの場所へと突き進んでいくことになった。BGMはいつの間にか次のフォルダに移っていた。B'zのもうひとつのベストアルバム「Pleasure」。「love me, I love you」のメロディに乗せ、私たちの車は国道バイパスの上り坂を加速度つけて駆け上っていった。

 

目的の地、それは山口県の北西端にして絶景で知られる場所、角島。

今でこそインスタ映えなんてもてはやされているが、地元の人からすれば昔からある名所だ。ここにたどり着くための高速はない。ひたすら国道を走るしかないのだ。まさにドライブ好きの聖地と言っても過言ではない。下関の市街地から1時間強、その道のりは長いと捉えるか短いと捉えるか。一人で考え事をしながら走るも良し、好きな人との濃密な時間を共有するも良し。

絡めあった指のぎこちなさが消え、お互いが強く手を繋ぎあい始めた頃。

目の前に南国のような透き通ったオーシャンビューが広がる。角島が見えてきた。角島へと渡る角島大橋は、ここが日本であることを忘れてしまうほどの不思議な空間だ。橋を渡り、風波のクロスロードを灯台へと向かっていく。

車を停め、背伸びをし深呼吸する。胸いっぱいの澄んだ空気、目の前に広がる無限のエメラルドグリーン。手を繋ぎ、私たちは無言で歩き始める。

一瞬、目が合う。一気に縮まる距離感、重なるシルエット。そして、私の噛んでいたガムの味をふたりは共有した。

 

時間が経つのは本当に早くて。一緒にぶらぶらして、ご飯を食べて、のんびりして。

ただそれだけなのに、もう帰る時間は迫ってくる。日差しの力が弱まり、夕方が迫ってくるのを感じつつ、私は帰路へと車を走らせていた。やけに静かだな…と助手席をちらっと見る。あなたは疲れたのか、うとうとしていた。心を許してくれていることが嬉しくて。今回のドライブは全て懐かしい1990年代の曲だった。今のBGMはglobeの「Is this love」。切ないメロディに胸が締め付けられる。繰り返す、あのフレーズを噛み締める。これは愛なの?もっとずっと上手くいくと思ってたのに。

 

”みんな辛いはずだけど 見えない素顔 どこで見せるの?”

考えてみても、虚しくなるだけ。

あなたの住む、あの地域が近づいてくる。幸せな時間も、そろそろ終わる。 

時間の限られた、密やかで濃密なバカンス。

短いようで長かった一日が終わりを告げる。今度はいつ会えるかな。

「じゃあ、またね」別れ際、助手席に体を伸ばし頬にキスをする。

今はこれが精いっぱいの、私の気持ち。

 

車の中からあなたの背中を見送る。

帰り道はglobeの「FACE」を歌いながら帰った。

 

”顔と顔寄せあい 慰めあったらそれぞれ 玄関のドアを ひとりで開けよう”

 

やっぱりあなたが好き。

また、ドライブしたいな。

 

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いかがでしたでしょうか?

もし、これにときめきましたら、あなたの大事な人とドライブデートをしてみてはいかがでしょうか?

そして、下関市も素敵な場所なので、機会があればぜひ絶景の海をご覧にいらしてくださいね。

 

ありがとうございました。