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Run away from the Night(②)

 

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このお話は、妄想で作り上げたフィクションです。

ちなみにこの話の続編になります。

kozuechan.hatenadiary.jp

 

あの日から、ずっとあの人の影を追いかけていた。あのBarにも行ってみた。しかし会えることはなく、ハイボールを一杯飲んで諦めて帰る日が続いていた。

LINEを送ろうか悩んで、でもやめて。

今でも十分惨めな女なのに、これ以上惨めな女になりたくなくて。

LINEの名前から検索すると、あの人のインスタグラムのアカウントがわかってしまった。そんなに更新はされていなかったが、あの日、私に話しかける前と思われる時刻に、あのBarの写真がアップされていた。それ以外も、夜景や、他のバーの写真など。あの人の一端を知ることが出来る、唯一の手掛かり。フォローはせず、毎日更新が無いかを確かめていた。自分でも馬鹿だと思った。でも、気持ちが止められなかった。

 

都会の喧騒の中、どこからか米津玄師の「アイネクライネ」が聞こえてくる。今まで意識もしていなかったのに、いちいち歌詞が胸に突き刺さってくる。

 

『あたしあなたに会えて本当に嬉しいのに 当たり前のようにそれらすべてが悲しいんだ』

 

そう。あの人を愛することで誰かが傷つくくらいなら、私は石ころにでもなってしまいたい。そんなことを思いながら、やりきれない気持ちを抱えたまま家路へとついた。

 

帰ってみると、いつもは自宅にいるはずの彼が居なかった。不思議に思いつつも、心のどこかで安堵している自分がいた。彼の事は好きだったはずだったのに、今は一緒にいることに何故かしんどさを感じ始めている。そんな自分と葛藤しながら暮らしていた。本当は自分の心の中に解答を持っているかもしれないのに、その事から目を背けて生きていた。現状を壊すことが怖かった…ただそれだけなのかもしれない。

寝室で着替えていると、外でドタバタとした音が聞こえてきた。ドアを開ける音、荒々しく廊下を歩く音。そして、彼が寝室に入ってきた。

「おぉ~~~、みさきぃー。今日は帰ってくるの早かったじゃーーん。」おかしな口調。明らかに酔っている。そんなに飲める方じゃないのに、その様子はかなり酔っているようだった。

「なぁ、みさき。俺はな、ゲームクリエイターになってぇ、お前を幸せにしたいって言ってよなぁ、覚えてるか?あぁ?」

「しょうくん、ちょっと飲み過ぎてるね、お水持って来ようか…?」

「あぁっ?水なんかいらないからさぁ、俺の話を聞いてくれよ、なぁ、みさき。俺はお前を幸せにしたいんだよ。」

「うん、わかった。わかったから、今日はちょっと早く休もう…ね?」

私の温和な説得にも応じようとしない。更に語調は強くなる。

「ちょ、待てよ。なぁ、聞いてるのか?お前は、おれを、あいしてるか、って、きいてる、わけ?あぁん?」

そう言って私をベッドへと押し倒した。そして、唇を重ねた後、私を組み敷いたまま彼はTシャツを脱ぎ捨てた。

「しょうくん、今日はやめよう…。…ね?」

震えながら訴える。しかし彼はやめなかった。

「なんでだよ!!こんなに愛してるのに、付き合ってるのに、なんでダメなんだよ!おまえ、オトコでもできたのか?なぁ、デキたのかって聞いてんだよ!」

逆上した彼は聞く耳を持たない。今までもこう言う事は何度かあった。私が謝って、穏便に済ませていた。でも、今はもうかばいたくない。こんなやりとりに疲れてしまったのだ。限界だった。

「もう!!こんなのに私は疲れちゃったの!!まだわからないの?言葉だけじゃなくて、本当にちゃんと仕事に就いて私を幸せにしてよ!もうこんなの嫌なの!」

その言葉に驚いて、少し力の抜けた瞬間に、馬乗りになっていた彼を押しどけ、カバンひとつ持って私は部屋から飛び出した。

 

スウェット上下のスッピンのまま、カッコ悪くも家を出てしまった。情けないが、仕方なかった。衝動的に家を出てしまったが、後悔はなかった。

いつか、こういう日が来るんじゃないかって思ってた。問題に直面していなかった私が悪かったのだ。疲れたままとぼとぼと歩き、駅前のインターネットカフェに着いた。

受付を済ませ、個室に入る。椅子に力無く座り、借りてきた毛布をおもむろに被る。

 

今日は、とにかく疲れて。とにかく眠りたかった。

そんな金曜日の夜だった。

 

続く…?

 

続編はこちら。

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