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リスク回避と成長の糧

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先日、幼稚園の行事の親子遠足で、自然あふれる某所で活動してきました。川遊びあり、自然物を使っての工作ありの、それはそれは楽しいひとときでした。

そして、昼食は野外の薪窯で焼く手作りピザ。

しかし、そこには大きな落とし穴が。

末っ子ちゃん、チーズ嫌いなんです。

なので、我が家のピザはチーズ抜き。私の分にとこっそりチーズをのせていたら怒られまして。目を皿にしてチーズが無いかを確かめながら食べていました。

 

末っ子ちゃんは元々気難しいお子様。それを重々承知の上で育ててはいるのです。まあ、その気難しさを押し切ってはいけない時はキツめに言い聞かせているのですが、それ以外基本はなるべくこちらが折れていたのです。

 

先週のある日。幼稚園の今日の給食のメニューはなぁに?と、末っ子ちゃんがばぁば(私の母)に聞いていました。ばぁばは何気なく答えます。スパゲッティと、チーズサラダとデザートと・・・。

な・・・なぁにぃ・・・チーズだとぉ・・・!?

末っ子ちゃんの表情が一瞬にして変わります。 そこから不機嫌モード突入であります。あと15分で家を出なければいけないというのに、雲行きがすごーく怪しい。登園拒否もありうる空気感であります。

何が起こったのかわからないばぁばに事情を話しました。「悪い事をしちゃった!」とオロオロするばぁば。

こんな時。私がもし末っ子ちゃんに給食のメニューを聞かれていたら、 きっと「スパゲッティと、サラダとデザート」と、『チーズ』という不利益な情報を伏せて伝えていたでしょう。末っ子ちゃんが手ごわいのは百も承知です。知らせずに幼稚園へ行かせ、そこでどうなるかを幼稚園の先生にお任せしようと。

責任逃れの悪い母と思う事でしょう。しかし、歴代わが子達はこだわりが強い傾向があり、それにより苦労をしてきたことも確かなのです。登園拒否というリスクを回避して、あとは幼児教育のプロに委ねてみようと思ってしまうのもまた紛れもない正直な気持ちでありました。

しかし、今回はリスク回避が出来なかった。「チーズ」という衝撃で、楽しいはずの幼稚園へ気持ちが向かないのを前に、親として登園を促すしかありません。必死の説得のスタートです。

「ほら、給食は減らしてもらえるから大丈夫だよ。」

…反応なし。ダメなようです。

「ほら、運動会の練習楽しいよー。」

…これもまた反応なし。時間は刻一刻と迫ります。

「わかった!ママが幼稚園送っていくときに、門の前の○○先生にチーズ減らしてって伝えるから!」

末っ子ちゃんの顔がこちらを向きます。おっ、ちょっといい反応。

「ホントに?」

と聞く末っ子ちゃんを「大丈夫!ホントホント!」で押し切り、なんとか車に乗せることに成功しました。

そして幼稚園の門の前。送迎担当の○○先生の姿を見て「ほら、言ってくれるんでしょ」と言わんばかりにこちらを見る末っ子ちゃん。そう、私は約束したのです。なので伝えました。

「あのー、この子チーズが苦手で。●●先生(担任)に、給食のチーズを減らしてもらうよう言っておいてもらえますか?」

門の前の先生はニッコリ笑って「はい、●●先生に伝えますね、さあ、Rちゃん(末っ子の名前)行こうか」と手を引き幼稚園へと入っていきました。もうね、これだけで一安心です。大げさに思うでしょうが、本当に一安心なのです。

 

その後は末っ子の心配をあまりすることなく、仕事に集中していました。

そして帰り。お迎えの時に担任の先生とお話する機会がありました。その時に真っ先に話題になったのはもちろんチーズの話。

担任の先生は、開口一番こう切り出しました。

「お母さん、今日は本当にRちゃんにとってすごくいい経験の日になりましたよ。」と。そして、こう続けました。

チーズの件を○○先生から聞き、給食の時間に末っ子にもう一度お話を聞き、目の前で減らして「このくらいの量なら大丈夫?」と聞いてみた。末っ子はうなずき、なんとかその量を頑張って食べたと。食べたことを褒めた上で、担任の先生は末っ子に

「これからも、苦手なものは減らして、って遠慮なく言ったら良いんだよって言ったら、Rちゃんが涙ぐみ始めまして。4月の転園以来、Rちゃんのこんな姿初めて見ました。今まで気が張って一生懸命頑張ろうとしてたんでしょうね。チーズの事で、自分の気持ちを表現するきっかけが出来て、Rちゃんにとっても良い経験になったと思います。そして、こちらもRちゃんの違う一面を見ることが出来てホッとしました。」と。

 

あぁ。なんて自分は浅はかだったのかと、恥ずかしくなった瞬間でした。その場しのぎのご機嫌取りで末っ子の成長を妨げてしまうところだったと、心から悔やみました。

人との関係性において、面倒なリスクは出来れば回避したい。多くの人が思う事ではないかと思います。なるべく不利益な情報は伏せて、事なきを得たい。または本心をさらけ出して、相手に引かれてしまうのが怖い。色々な思いがあると思います。

 

確かに無益なゴタゴタは避けるべきでしょうが、あまりにリスクを回避し過ぎると、その中の「成長の糧」になりそうな芽まで見過ごしてしまうのではないかと今回思いました。

 

どんなにネット社会が広がろうとも、最終的には人と人とのリアルな繋がりなくしては生きていけないのではないかと思っていて。うわべだけの付き合いだけでは、それ以上の距離を縮められないこともある。

本音を晒すリスクを抱えながらも、それを見せてくれる人には強い親近感を感じるのも確か。

そうやって成功と失敗を繰り返しながら、人は成長していくのかなぁ…と漠然と思いました。

 

失敗を恐れ、もしくは人との軋轢を恐れリスク回避するのも生きる上での蘇生術ですが、もし、少しでも心を開きたい人がいるなら、リスクを恐れず飛び込んでみるのもいいかもしれないよ、と思った出来事でした。

 

ひとつ成長した末っ子ちゃんをその日たくさんハグしました。よく頑張って食べたね、これからは自分で苦手なものは「減らして」って言えるね、って。

わが子の成長を傍で見守れる幸せと、末っ子の成長を誇らしく思う気持ちで、本当に感無量な一日になりました。